ベリルの鉱物学的データ・効果・効能・意味・石言葉

ベリルの特性（特徴、特色）など

フランスの化学者ルイ・ニクラウス・ボークランが1798年に、淡い緑色系の石の中から「ベリリウム（Be）」元素を発見し、ベリリウムを含む鉱物は「ベリル」と呼ばれるようになりました。

歴史的に様々な事情の影響を受け、現在では色や成分や特徴や産地などにより下記のように分類されています（50音順）。

（注：一部、諸説により、分類や判断基準や名称が異なることがあります。）

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  アクアマリン

  （Aquamarine）：アクアマリンの水色（海水青色）は鉄（Fe）の成分に因ります。アクアマリンの名前の由来は、「海の水」を意味するラテン語からきています。約2000年前にローマ人によって名づけられました。茶色のものを加熱して水色系にしているものも多いようです。

• アクアマリン・クリソライト

  （Aquamarine Chrysolite）：緑色がかった黄色～黄緑色のベリル。ヘリオドールともいう。アクアマリン・クリソライトという名称は、好ましくない名称。

• アメリカン・レッド・エメラルド

  レッド・ベリルの別名。

• アルバニータ・アクアマリン

  （Halbanita Aquamarine）：1973年頃、マシーシェ・ベリルに似た色調のベリルが現れ、一部では「アルバニータ・アクアマリン（Halbanita Aquamarine）」と呼ばれていました（アルバニータ・アクアマリンは、ブラジルのアルバ社で処理されたブルー・ベリルの商業名です）。参照：マシーシェ・タイプ・ベリル。

• イエロー・ベリル

  （Yellow Beryl）：イエロー・ベリルとは、黄色のベリル。

• エメラルド

  （Emerald）：エメラルドとは、クロム（Cr）に因る緑色のベリル。近年ではバナジウム（V）に因る緑色の一部もエメラルドと呼ばれることがあります。

• カナリー・ベリル

  （Canary Beryl）：カナリー・ベリルとは、カナリアの黄色の色調を有するベリル。

• カラーレス・ベリル

  （Colorless Beryl）：カラーレス・ベリルとは、ゴッシェナイトの別名。

• キャッツアイ・ベリル

  ベリル・キャッツアイ参照

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  グリーン・ベリル

  （Green Beryl）：グリーン・ベリルとは、エメラルド以外の緑色のベリル。色因は主に鉄やバナジウム。

• クリソライト・アクアマリン

  （Chrysolite Aquamarine）：クリソライト・アクアマリンとは、クリソライト・ベリルの別名。

• クリソライト・ベリル

  （Chrysolite Beryl）：クリソライト・ベリルとは、明るい帯緑黄色、明るい黄緑色のベリル。一般的にはヘリオドールが用いられる。

• ゴーシェナイト

  ゴーシェナイトとは、ゴッシェナイトの別読み。

• ゴールデン・ベリル

  （Golden Beryl）：ゴールデン・ベリルとは、金色～オレンジ系の金色のベリル。

• ゴッシェナイト

  （Goshenite）：ゴッシェナイトとは、色調が「無色～ごく淡色」のベリルとなります。基本的には、ごく淡色を帯びていることが多いと言われています。

• ゴシェナイト

  ゴシェナイトとは、ゴッシェナイトの別読み。

• スター・ベリル

  （Star Beryl）：スター・ベリルとは、スターを示すベリル。

• セシウム・ベリル

  （Cesium Beryl）：セシウム・ベリルとは、セシウムを含有する、ピンク色、無色のベリル。またはモルガナイトの旧名。

• バーバラ・ベリル

  （Barbara Beryl）：バーバラ・ベリルとは、南アフリカ、トランスバール州のバーバラ地区産のベリル。

• バッザイト

  （Bazzite）：バッザイトとは、青色、暗青色で、ベリリウム分がスカンジウムと置換したベリルの変種。化学組成：Be₃(Sc,Al)₂Si₆O₁₈

• バナジウム・ベリル

  （Vanadium Beryl）：バナジウム・ベリルとは、色因が「バナジウム（V）」による緑色のベリル。ただ、近年、緑色の色因がバナジウムのベリルの一部をエメラルドとしている場合があります。

• ピーチ・ベリル

  （Peach Beryl）：ピーチ・ベリルとは、桃色と橙色の中間色のベリル。

• ビキシバイト

  ビキシバイトとは、レッド・ベリルの別名。

• ビクスバイト

  ビクスバイトとは、レッド・ベリルの別名。

• ビックスバイト

  ビックスバイトとは、レッド・ベリルの別名。

• ヒヤシンソゾーンズ

  （Hyacinthozones）：ヒヤシンソゾーンズとは、サファイア・ブルー色のベリル。

• ピンク・ベリル

  （Pink Beryl）：ピンク・ベリルとは、ピンク色のベリル。色因は、マンガン、セシウム、リチウムなどです。ピンク色のベリル（モルガナイト、ローズ・ベリル、ボロビエバイト、ペツォッタイト、ラズベリル、セシウム・ベリル）の別名の場合もあるので、結局どの石のことなのか確認が必要です。購入時などは販売店（販売者）様などで確認してくださいませ。

• ブラック・ベリル

  （Black Beryl）：ブラック・ベリルとは、鉄の鉱物などを含有する、黒色のベリル。

• ブルー・ベリル

  （Blue Beryl）：ブルー・ベリルとは、濃青色～暗青色の色調を有するベリル（但し、アクアマリンは除く）。放射線照射処理がされています。色が退色するかどうかは、販売店様等にご確認ください。

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  ヘリオドール

  （Heliodor）：ヘリオドールとは、黄緑色のベリル。かつて「黄色」「黄緑色」「金色～オレンジ系の金色」の色調は全て「ヘリオドール」と呼ばれている時代がありました。現在も混同している場合がありますので、ご注意くださいませ。

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  ベリル・キャッツアイ

  （Beryl Cat'sEye）：ベリル・キャッツアイとは、シャトヤンシー効果（キャッツアイ効果）を示すベリル。主軸に平行な多数のチューブ・インクルージョンを持つ半透明なベリルです。

• ホワイト・ベリル

  （White Beryl）：ホワイト・ベリルとは、ゴッシェナイトの別名。

• マシーシェ・ベリル

  （Maxixe Beryl）：1917年にブラジルのミナスジェライス州のマシーシェ鉱山から発見された濃青色のベリル。色因は、自然界の放射線による照射によるものとされています。光や熱に対して非常に不安定なためごく短時間で退色する。

• マシーシェ・タイプ・ベリル

  マシーシェ・ベリルに似た色調のベリル。色因は人為的な放射線照射によるもの。光や熱に対して非常に不安定なため短時間で退色する。

• マシシ・ベリル

  マシーシェ・ベリルの別読み。

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  ミント・ベリル

  （Mint Beryl）：ミントの色調のベリル。大まかにいうと、青色味を感じる緑色の色調。

• ライム・ベリル

  （Lime Beryl）：ライムの色調のベリル。大まかにいうと、黄色味を感じる緑色の色調。

• リシオン・ベリル

  （Lithion Beryl）：リチウムを含み、カルシウムを含まないベリル。宝石名ではなく化学上の分類。

• レッド・エメラルド

  （Red Emerald）：レッド・ベリルの別名。

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  レッド・ベリル

  （Red Beryl）：赤色のベリル。色因はマンガン。

• ロステライト

  （Rosterite）：地中海、エルバ島産出のローズ色のベリル。

名称（別名など）	主な色調	主な色因	和名
モルガナイト（ローズ・ベリル、ボロビエバイト、ピンク・ベリル）	ピンク色	マンガン、セシウム	緑柱石
セシウム・ベリル	ピンク色	セシウム	緑柱石
ペツォッタイト（ラズベリル、ピンク・ベリル）	濃いピンク色	セシウム、リチウム	緑柱石

かつて「黄色」「黄緑色」「金色～オレンジ系の金色」の色調は、全て「ヘリオドール」と呼ばれている時代がありました。その為、現在でも名称がこんがらがっている（笑）ことがあります。（過去の基準で分類している販売業者もいるようです。）

さらに判断を難しくしているのが、基本的に「色調は主観的なもの」の為、同一石でも鑑別機関や販売業者によっては、異なる見解となる場合もございます。

例：販売店Aで「イエロー・ベリル」として購入したものが、販売店（または買取店）Bでは「ゴールデン・ベリル」と判断されてしまう。